ChatGPTに広告が来る?AmazonとOpenAIの提携で変わるAI体験

ChatGPTに広告が入ってくる? AmazonとOpenAIの提携が、ネット広告の常識を変えるかもしれない

スマホでニュースを読んでいると、記事の間に広告が入っていますよね。では、AIとの「会話」の中に広告が入ってきたら、どう感じますか? それが今、現実になろうとしています。Amazon AdsとOpenAIが手を組み、あの「ChatGPT」の画面上に広告を出せる仕組みが始まることになりました。ネット広告の歴史に、また新しいページが加わるかもしれないこの動き、一緒に見ていきましょう。

そもそもどういうこと?

一言で言うと、「ChatGPTのチャット画面に、Amazonの広告配信システムを通じた広告が表示されるようになる」ということです。

少し背景を整理しましょう。

  • ●Amazon DSP(Demand-Side Platform)とは、Amazonが企業向けに提供している「広告配信の仕組み」です。「DSP」はちょっと難しい言葉ですが、要は「どのユーザーに・どのタイミングで・どんな広告を出すかを自動で管理するシステム」と思ってください。たとえばネットで靴を検索したあと、別のサイトを見ていたら靴の広告が出てきた経験はありませんか? あのような「追いかけてくる広告」を効率よく配信するための仕組みがDSPです。
  • ●今回の提携では、このAmazon DSPを使って広告を出稿している企業が、新たな配信先として「ChatGPT」を選べるようになります。広告の形式はテキストや画像で、ChatGPTの会話画面の下部に表示される予定です。
  • ●まずはアメリカ国内の成人ユーザー向けの無料プランを対象にしたパイロット(試験運用)としてスタートします。「どの広告をどのタイミングで出すか」のコントロールはOpenAI側のシステムが担います。
AIとの会話画面の下部にテキスト・画像広告が表示されるイメージ図

つまり、「ChatGPTと話しながら、画面の下に広告が出る」という体験が近々やってくる、ということです。

なぜ注目されているのか / 何がすごいのか

広告業界の「次の戦場」がAIチャットになった

これまでネット広告の主戦場は、Google検索の結果ページやSNSのタイムライン、ウェブサイトの記事内などでした。しかし近年、ChatGPTのようなAIチャットツールを「検索代わり」に使う人が増えています。

「調べものをGoogle検索ではなくChatGPTに聞く」というユーザー行動の変化が、広告業界にとっては大きな問題でした。なぜなら、そこには広告を出す場所がなかったからです。今回の提携は、そのAI空間に初めて本格的な広告の「土台」が敷かれる動きとして注目されています。

世界最大規模の広告エコシステムが動く

AmazonのDSPは、世界でも有数の規模を誇る広告配信プラットフォームです。すでに多くの企業がAmazon DSPを通じて広告を出稿しています。その企業群が、追加の手続きをほとんどせずにChatGPTという新しい「広告枠」にアクセスできるようになる、というのがこの提携の肝です。

広告主にとっては「新しいプラットフォームの使い方を一から覚えなくていい」という大きなメリット。OpenAIにとっては「広告収益という新たな収入源」が得られる、という構図です。

「会話しながら広告に触れる」という新体験

テレビCMや検索広告との大きな違いは、ユーザーがAIと能動的に会話している最中に広告が表示される点です。たとえば「おすすめの旅行先を教えて」とChatGPTに聞きながら、画面下には旅行会社の広告が表示される、といったシナリオが考えられます。

ユーザーの関心と広告の内容が近い状況で表示されるため、広告の「関連性」が高くなる可能性があります。これは広告主にとってもユーザーにとっても、うまくいけば「邪魔に感じにくい広告体験」につながるかもしれません。

わたしたちにどう関係する?

「広告主でも企業のエンジニアでもないし、関係なくない?」と思った方もいるかもしれません。でも、これは私たちの日常にじわじわ影響してくる話です。

① ChatGPTを無料で使い続けられる理由になる

OpenAIは現在、無料プランと有料プランを提供しています。広告収益が得られれば、無料プランのサービス維持・拡充がしやすくなります。「無料で使えるのに広告が出る」というのは、YouTubeやGmailと同じモデルです。無料でAIを使い続けたい人にとっては、広告表示は「その対価」とも言えます。

② 就職・転職・副業でのスキルとして

今後、AIチャット上の広告運用は新しいマーケティングスキルになっていく可能性があります。「AIプラットフォームへの広告出稿」を理解している人材の価値は、これから上がっていくかもしれません。マーケティングやEC(ネット通販)に関わる仕事をしている方は、動向を追っておく価値があります。

③ 消費者としての「広告リテラシー」

AIが生成した回答と、広告として表示されたコンテンツを区別できるかどうかは、今後重要になってきます。情報を鵜呑みにせず、「これは広告かもしれない」という視点を持って使うことが大切です。

気をつけたい点

まだパイロット段階の話です

今回発表されたのは「アメリカ・成人向け・無料プランでの試験運用」です。日本のユーザーへの展開時期や、有料プランへの影響については、現時点では明らかにされていません。「すぐに自分のChatGPT画面に広告が出る」わけではないことを頭に置いておきましょう。

広告表示のコントロールはOpenAI側

どんな広告が・どのタイミングで出るかは、OpenAIのシステムが管理します。広告主が「この会話に出す」と細かく指定できるわけではなく、AIと広告の組み合わせがどのように機能するかは、実際に運用してみないとわからない部分も多くあります。

プライバシーへの懸念は引き続き注意

チャット内容をもとにした広告表示が行われるかどうか、ユーザーデータの扱いについては、今後さらなる詳細な説明が求められるポイントです。現時点では、その詳細は公開されていません。

よくある質問

ChatGPTの有料プランにも広告が表示されるの?

  • ●今回の発表はあくまで無料プラン向けのパイロットについてです。
  • ●有料プランへの影響は現時点で明らかにされていません。

日本のユーザーはいつから使える(or 見られる)の?

  • ●今回の試験運用はアメリカ国内の成人ユーザーが対象です。
  • ●日本を含むその他の地域への展開については、現時点では情報がありません。

広告を出したい企業はどうすればいいの?

  • ●Amazon DSPを通じて出稿する仕組みになります。
  • ●すでにAmazon DSPを利用している広告主は、新たな配信先としてChatGPTを選べるようになります。

表示される広告はどんな形式?

  • ●テキストおよび画像広告が、ChatGPTの会話画面の下部に表示される予定です。

広告はAIの回答の中に混ざって表示されるの?

  • ●今回の発表によると、広告は会話画面の下部に表示される形式です。
  • ●AIの回答文そのものの中に広告が混入する仕様とは説明されていません。

まとめ

AmazonとOpenAIの提携により、ChatGPTの会話画面にAmazon DSP経由の広告が表示されるパイロットが、アメリカの無料プランユーザーを対象にスタートします。AI空間への広告進出という新しいフェーズが始まりつつあり、広告業界・ユーザー体験・そして私たちの情報との接し方にじわじわと影響を与えていきそうです。日本への展開や詳細な仕様はまだ不明な点も多いため、引き続き動向を注視しましょう。次は「AIチャットと広告リテラシー」について調べてみると、より深く理解できますよ。

参考文献